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徒弟の弊害排除(法69条)職業訓練に関する特例(法70条~法73条)|労働基準法

 労働基準法の徒弟、いわゆる親方のもとで労務に従事する少年を想定したもの。徒弟の弊害排除と職業訓練に関する特例、未成年訓練生の年次有給休暇の解説します。3つともに職業教育制度についての保護を規定するものです。

  徒弟の弊害排除(法69条)

 あまりなじみのない「徒弟」という言葉が出てきました。「徒弟制度」の意味は中世ヨーロッパの手工業者組合において、親方・職人・徒弟の階層関係に基づいて技能教育(職業教育)を行なった制度のことです。
徒弟の弊害排除)第69条 Ⅰ 使用者は、徒弟見習養成工その他名称の如何を問わず、技能の習得を目的とする者であることを理由として、労働者酷使してはならない。 Ⅱ 使用者は、技能の習得目的とする労働者家事その他技能の習得に関係のない作業に従事させてはならない。

趣旨等

 技能習得を目的とする者であることを理由として、労働者を酷使したり雑役に使用することを禁止した規定です。
 なお、本条は、いわゆる訓示規定であり罰則の定めはありません。

職業訓練に関する特例(法70条、法71条、法73条)

 職業訓練とは、労働者又は労働者になろうとする者に対して、職業に必要な技術・技能や知識を習得させるため、体系的、計画的、組織的に行われる活動であり、公共職業訓練と認定職業訓練があります。
都道府県労働局長の許可を受けることができれば、労働基準法及び労働安全衛生法で規定している年少者や妊産婦の危険有害業務等の就業制限が緩和されます。
 
職業訓練に関する特例)第70条 職業能力開発促進法第24条第1項の都道府県知事の認定を受けて行う職業訓練を受ける労働者について必要がある場合においては、その必要の限度で、第14条第1項の契約期間、第62条及び第64条の3の年少者及び妊産婦等危険有害業務就業制限、第63条の年少者坑内労働の禁止並びに第64条の2の妊産婦等坑内業務就業制限に関する規定について、厚生労働省令で別段の定めをすることができる。ただし、第63条の年少者坑内労働の禁止に関する規定については、満16歳に満たない者に関しては、この限りでない。 第71条 前条の規定に基いて発する厚生労働省令は、当該厚生労働省令によって労働者を使用することについて行政官庁の許可を受けた使用者に使用される労働者以外の労働者については、適用しない。 第73条 第70条の規定による許可を受けた使用者が第70条の規定に基いて発する厚生労働省令に違反した場合においては、行政官庁所轄都道府県労働局長)は、その許可取り消すことができる。 (労働基準法施行規則) 第34条の4 法第71条の規定による許可は、職業訓練に関する特例許可申請書により、当該事業場の所在地を管轄する都道府県労働局長から受けなければならない。 第34条の5 都道府県労働局長は、前条の申請について許可をしたとき、若しくは許可をしないとき、又は許可を取り消したときは、その旨を都道府県知事に通知しなければならない。

認定職業訓練性の特例

契約期間の規定に関する特例

 職業能力開発促進法施行規則に定める訓練期間の範囲内であれば、契約期間3超える労働契約を定めることができる。(則34条の25

危険有害業務の就業制限に関する特例

 技能を習得させるために必要がある場合においては、年少者である訓練生を法第62条の危険有害業務に就かせることができる(則34条の3

年少者の坑内労働の禁止及び妊産婦等の坑内業務の就業制限に関する特例

 技能を習得させるために必要がある場合においては、16以上男性である訓練生を坑内労働に就かせることができる(則34条の3
上記(2)(3)により、訓練生を危険有害業務又は坑内労働に就かせる場合においては、危害を防止するために必要な措置を講じなければならない。

都道府県労働局長の許可

 法第70条の特例の適用を受けて、例えば年少者に危険有害業務に係る職業訓練を行うためには、職業能力開発促進法24条第1項の都道府県知事の認定を受けるだけでなく、法第71条の都道府県労働局長の許可を受けなければならないことになる。
Point「特例の許可」及び「許可の取消」に係る行政官庁は所轄都道府県労働局長である。

未成年訓練生の年次有給休暇(法72条)

 第70条[訓練生の特例]の規定に基づく厚生労働省令の適用を受ける未成年者についての第39条[年次有給休暇]の規定の適用については、初年度に12労働日年次有給休暇を付与しなければならない。
 未成年訓練生の年次有給休暇付与日数は、次の通りである。
勤続年数
0.5
1.5
2.5
3.5
4.5
5.5年以上
付与日数
12
13
14
16
18
20

趣旨

 本条は、法第70条[訓練生の特例]の規定の適用を受ける労働者は、ある種の労働条件について一般労働者より不利な取扱いを受けることとなるため、特に未成年者の年次有給休暇については一般労働者より高い基準によることを規定したものである。
<Point>
 労働者が、未成年訓練生の年次有給休暇適用対象者であったときに発生し、その年度内に行使されなかった法第72条に基づく年次有給休暇請求権は、2年の消滅時効にかかるまでは、たとえ労働者が未成年訓練生の年次有給休暇適用対象者でなくなった場合においても、消滅することなく存続する(昭和34.5.4基収2275号)

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